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住所等変更登記の申請の義務化と職権登記制度

2022年4月15日お知らせ

《登記上の所有者の住所・氏名・名称変更についても義務化されます》

これまで任意だった、登記上の所有者の住所・氏名・名称変更についても義務化されます。
所有者の氏名、住所、名称について変更があったときは、その変更があった日から2年以内に、氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記を申請しなければなりません。これに違反すると5万円以下の過料の対象となります。

〇法改正以前の住所等の変更未登記物件にも適用される

この住所等の変更登記義務化は相続登記義務化と同様に法改正後に発生した住所等の変更のみならず、法改正以前から住所等の変更登記をしていない不動産についても適用があります。
改正法附則の条文では「”変更のあった日”又は”施行日”のいずれか遅い日」と規定されており、法改正以前から住所等の変更をしていない場合には施行日から2年以内に行う住所等の変更登記をする必要があります。

〇義務化が開始された時点で既に住所が変更されていた場合には、下記①または②いずれか遅い日から2年以内に住所変更登記申請しなければなりません。

①住所等の変更があった日

②改正法の施行日

〇では、どういった場合に住所等の変更が必要なのでしょうか❓
▶住所変更登記が必要な場合
①登記簿上の所有者が転居した場合

➁住居表示の実施が行われた場合
住居表示の実施とは、住所の表示を地番を用いた表示(〇町〇丁目〇番地〇 )から住居表示制度を用いた表示(〇町〇丁目×番△号 ) に変更することいいます。

③行政区画の変更によって地番が変更された場合
行政区画の変更とは、市町村合併や区制の施行などによって市区町村の名称が変わることをいいます。行政区画の変更に伴い地番も変更される場合には、住居変更の登記を申請しなければなりません。

▶住所変更登記が不要な場合
①地番変更を伴わない行政区画の変更が行われた場合
行政区画の変更によっても地番に変更がない場合には、住所変更登記は不要です。

②所有者が死亡している場合
この場合は、相続登記を申請しなければなりません。

〇法務局が住基ネット、商業・法人登記システムで把握した住所変更情報を登記官が職権で登記できる
法務局(登記官)が住民基本台帳ネットワークシステム又は会社などの法人情報を管理する商業・法人登記のシステムから所有者の氏名及び住所についての変更の情報を把握したときは、登記官が職権で、その住所、氏名などの変更登記ができるようになります。ただし、所有者が個人の場合には、個人への意向確認と本人からの申し出が必要です

◎個人は、名義変更(所有権移転)登記時に生年月日等の情報の提供が必要
新たに不動産の所有権を取得する個人は、名義変更(所有権移転)登記時に生年月日等の情報の提供が義務化されます。
個人の生年月日は登記簿には記録されませんが、法務局内部において登記官は、氏名、住所、生年月日などの情報を元に住民基本台帳ネットワークシステムに定期的に照会及び検索用のキーワードとして利用される予定です。

〇商業・法人登記のシステム上の会社法人等番号が登記簿に記録される
所有者が会社など法人であるときは、商業・法人登記のシステム上の会社法人等番号が登記簿に記録されます。

◎最新の住所を公示することに支障がある者(DV被害者等)保護のための注意点
登記記録に記録されている者(自然人に限る。)の住所が明らかにされることにより、人の生命若しくは身体に危害を及ぼすおそれがある場合などの事由があるときは、法務局側から、所有権の登記名義人に変更登記をすることについて確認を行い、その了解を得た時に、登記官が職権的に変更登記をすることとしている。

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