事務所ブログ

労働トラブル110番

2024年1月2日お知らせ

令和5年11月23日勤労感謝の日に相談員として労働トラブル110番に参加しました。

以下が広島司法書士会令和6年1月会報に寄稿した本相談会に関する旨趣となります。

久しぶりのブログ更新なのですが、せっかくなので当職の活動の一環を記録する意味でも掲載しておきます。

労働トラブル110番を開催することとなった発端は、平成18年度における全国の総合労働相談センターに寄せられた総合労働相談件数が94万6千件を超え、毎年大幅に増加していたことによる。

 労働トラブルには、一方が賃金によって生活を立てる労働者であり、他方は労働者に賃金を支払い、指揮監督する使用者であることから、後者が前者に対して優越的な地位を有する潜在的な対立構造が存在します。

 したがって、両者の間には、情報の格差や交渉力の格差などが生じ、労働者は交渉段階から不利な状況におかれることが多く、経済的にも精神的にも不安定な状況におかれることが多くなると考えられます。

 特に雇用者側は求職者の仕事で収入を得て生活を安定させたいという欲求を逆手に取り、求人広告の段階から実際の職務内容とは全く異なる内容を掲げた求人広告を掲載している企業も散見され、そういった状況は私企業による求人広告だけでなく、公益企業の求人広告にも見られます。

 司法書士は簡易裁判所における民事訴訟の代理権をもち、従来から、賃金・退職金の未払いや、アルバイト代金の支払請求など、労働関係の法律相談を受けたり、これらの紛争の解決にあたってきました。

 そこで、今般「勤労感謝の日」の催しとして、賃金未払いなどの労働トラブルはもとより、解雇など幅広く無料で相談に応ずるため「全国一斉労働トラブル110番」を開催することとなった。近年では相談内容も多岐にわたり、私が実際に受けた相談内容ではパワハラ・セクハラ・職場に必ず一人はいる働かないおじさん問題など様々である。

 私は司法書士として「市民にもっとも身近な法律家」として、労働トラブルの相談を通じて市民の権利擁護に貢献したいと考え、本相談会に今回で3年連続で参加しましたが、問題の根深さに毎回己の無力さを痛感させられます。

 本相談会開催初年度の平成19年度開催時の報告では、相談員11名体制で開催し、当日の電話相談5件中、労働関係の相談は2件であったことが報告された。

 当時から17年が経過し、令和5年度の開催では相談者4名体制(午前の部午後の部2名づつ)で電話相談9件中労働関係の相談6件、面談相談1件であった。相談件数の増加は世の中の労働問題が増加した訳ではなく元々あったものが顕在化しただけと考える方が適切である。また、本相談会における相談件数の増加は、これまで相談員として携わってきた広島司法書士会の会員の方々の努力の賜物であると考えています。

 今後も様々な会員の本相談会への参加を希望します。

以上です。都内のメーカー勤務で管理職に就いてる大学時代の友人が最近入社してくる部下が気に入らないことがあるとあっさり辞めていくのでとても神経を使うと言っていました。

司法書士をやっていると気づかない一般世間の感覚を教えてくれる私にとって貴重な情報源でもある友人Oです。

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